アパートやマンションのガラス修理はオーナー負担?自己負担?

アパートやマンションなど賃貸物件の窓ガラスが割れた

アパートやマンションなどの賃貸物件は、入居者は間借りしているだけです。ここで、問題となるのが賃貸物件の窓ガラスが割れた場合の処理についてです。
自己所有物件であれば窓ガラスも自分の所有物となるため、窓ガラスが割れたら自己責任で修理しなければなりません。しかし、賃貸物件の所有者は入居者ではなくオーナーです。賃貸物件の窓ガラスはオーナーの所有物なのです。
そこで、賃貸物件の窓ガラスが割れた時、入居者の判断で勝手に修理してしまうと修理費用を損したり、オーナーと後になってトラブルになる可能性が生じます。
ここでは、賃貸物件に入居している方のために、賃貸物件の窓ガラスが割れた場合にどのように処理すればよいのか、正しい手順を紹介させて頂きます。

オーナーの責任で窓ガラスの修理が行えるケース

オーナーの責任で窓ガラスの修理が行えるケース

①経年劣化の損傷はオーナの責任

ガラスは金属とは異なり、熱や圧力に脆い性質を持っています。ガラスは何もしないでも勝手に割れる場合があるのです。
入居者が何もしていないのに勝手にガラスが割れてしまったら、入居者はガラス修理についての責任を負いません。根拠は国土交通省が出している「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」にあります。
このガイドラインによると、住居設備の経年劣化や通常使用による損耗に関する修繕費用は、賃料に含まれます。つまり、住宅の通常使用によって損傷した部分の修繕費は入居者が毎月支払う賃料に含まれているので、オーナーが修繕費を負担すべき、とされているのです。さらに、退去時の原状回復についても、入居者が入居した当初の状態、つまり新しい状態に戻すわけではない事が明記されています。
そこで、経年劣化によってガラスが割れた場合、入居者には責任がなく、ガラスの修繕費を負担する必要はありません。
この点について知らない方も多く、自己負担で修理してしまう場合が多くなっています。また、入居者の無知につけ込んで、経年劣化でガラスが割れたのに入居者にその費用を支払わせようとするオーナーも残念ながら存在しています。
入居者が何もしていないのに経年劣化によってガラスが割れた時には、オーナーが修繕費を負担しなければならない、と覚えておきましょう。

②ガラスの熱割れはオーナー負担

大きな窓ガラスは、日光が直接当たる部分と当たらない部分に分かれます。この時、日光が当たる部分は熱を吸収して膨張する一方、サッシに覆われ日光が当たらない部分は低温のまま膨張しません。
この状態は太陽が出ている間、常にガラス内部で発生しているのですが、日光の熱によるガラス内部での膨張差が大きくなると、ガラスが自然と崩壊します。
この現象の事を、ガラスの熱割れと呼んでいます。
ガラスの熱割れは冬の晴れた日の午前中に発生しやすく、日光の直射を受ける東側や南側の窓ガラスで発生する場合が多くなっています。
このガラスの熱割れは典型的な経年劣化によって発生するガラスの損傷であり、入居者には何ら責任はありません。そこで、オーナー負担でガラス修理を行えます。
物理的な衝撃によってガラスが割れた場合、衝撃が当たった所を中心に同心円状にひび割れが広がりますが、熱割れによってガラスが割れた場合には1本から数本のひび割れがガラスの横に走る形となります。
熱割れによってガラスが割れた場合には外見上判断しやすいため、スマートフォンで割れた様子を撮影しておくと良いでしょう。

③錆び割れについてもオーナー負担

経年劣化によりガラスが割れる場合に、錆び割れというものもあります。
錆び割れは、ワイヤー入りのガラスで発生する現象です。網入りガラスや線入りガラスのように、鉄のワイヤーがガラス内にある特殊なガラスで発生します。
網入りガラスを長年使用していると、内部のワイヤーが水蒸気や雨の水分を吸収し、自然と錆びてしまう場合があります。ワイヤーが錆びるとガラス内部でワイヤーが膨張し、ガラスを圧迫してしまいます。その結果、ガラスが内側から割れてしまうのです。
この錆び割れも経年劣化によるものなので、入居者には責任がありません。
ガラスが錆び割れした時には、ワイヤーにそってひび割れ、クラックが入ります。外部の衝撃によって割れた場合とは異なる状態となるため、錆び割れについても見た目でわかります。
ワイヤー入りのガラスが自然に割れた時には、オーナー負担で修理してもらえると覚えておきましょう。

入居者の責任で窓ガラスの修理が必要なケース

①入居者の行動でガラスが割れた場合

日頃、賃貸物件で生活していると、ガラスと接触する場面がでてきます。洗濯のためにベランダの窓ガラスを開け閉めしたり、汚れたガラスを拭いたりしたりする機会が日常的に生じます。
入居者の行動が原因でガラスが割れた場合、入居者がガラス修理する責任を負います。
この際に重要なのは、入居者にガラスを割る意思がなくても、入居者の行動の結果ガラスが割れたら責任を負う、という点です。自分の意思でガラスを割るというのは、よほどの事がない限りありませんが、過失やちょっとした取り扱いのミスでガラスを割った時にも、入居者に責任が及ぶため、ガラスの取り扱いには注意が必要です。

②入居者の過失によってガラスを割った場合

窓ガラスが割れる最も大きな原因は、入居者の過失によってガラスが割れてしまう場合です。
家具を移動させる時に誤ってガラスに家具をぶつけガラスを割ってしまったり、窓の開け閉めする時の衝撃でガラスを割ってしまう、というようなケースが入居者の過失によってガラスを割る典型例です。
また、ベランダに置いた植木鉢が強い風に乗って飛び、窓ガラスを割った、というようなケースも入居者の責任となります。植木鉢を置いたのが入居者だからです。
台風の時など、ベランダに植木鉢など物を置いていると、ガラスが割れる原因となりやすいため、注意が必要です。自分の行動だけではなく、自分の置いた物によってガラスが割れると入居者の責任とされてしまうため、ガラスの周囲には物を置かないよう注意しましょう。

③掃除の際にガラスを割った場合

ガラスを割った原因が入居者の善意に基づく場合であっても、結果として入居者の行動によってガラスが割れたのであれば入居者の責任とされます。
たとえば、年末の大掃除や賃貸物件からの退去時に、ガラスを磨いていてガラスが割れたら入居者の責任となります。また、ガラスが設置されているレーンを掃除しようとして、ガラスをサッシから取り外そうとした時にガラスを割っても、入居者がガラス修理費を負担しなければなりません。
掃除やガラス磨きの際にもガラスを割ってしまう場合があるため、ガラスを手入れする時には慎重に行うように注意しましょう。

賃貸物件のガラスが割れた時の処理方法

賃貸物件のガラスが割れた時の処理方法

①ガラス破片を回収する

賃貸物件のガラスが割れたら、まず心を落ち着かせ、自身の身の安全を確保しましょう。
周囲にガラス破片が飛び散っていないか確認し、破片を回収しなければなりません。この際、軍手や手袋を身に着け、身体が傷つかないように注意しましょう。
また、ガラスにヒビ割れが走っているのであれば、それ以上ヒビ割れが広がらないように、ガムテープを用いて応急処置を施しましょう。
ただ、台風の接近時など危険な状態ではガラスの処置は後回しにし、避難するなど身の安全の確保を最優先に考えましょう。

②オーナー、管理会社に連絡する

賃貸物件のガラスは入居者の所有物ではなく、オーナーの所有物です。そこで、賃貸物件のガラスが割れたら、オーナーに連絡しなければなりません。
直接、オーナーに連絡を入れる場合と、仲介の不動産会社や管理会社に連絡を入れる場合があります。アパートのような小規模物件の場合はオーナーに直接連絡を入れる場合が多く、入居者数が100戸を超えるマンションの場合には、不動産会社や管理会社に連絡を入れる場合が多くなっています。
連絡を入れずに勝手に入居者の判断でガラス修理を行うと、後で問題になる可能性があります。なぜなら、入居者は原状回復の義務を負っており、ガラスの種類やメーカーについてはオーナー指定のものを使用しなければならないからです。
ここで、入居者の都合で勝手に安価なガラスを使用すると、退去時に改めてガラスの取替費を請求される可能性も生じます。
そこで、賃貸物件のガラスが割れたら、オーナーに連絡しなければなりません。
そもそも、経年劣化によってガラスが割れた時には、それ以降の処理をオーナー側で進めてもらう必要もあります。また、入居者の責任でガラスが割れた時でも、オーナーが指定する業者にガラス修理を依頼するケースもあります。
いずれにしても、賃貸物件のガラスはオーナーの所有物なので、ガラスが割れたらオーナーに連絡する必要があるのです。

③写真撮影を行う

オーナーに連絡を入れたら、割れたガラスの写真撮影を行いましょう。
この写真は後日、火災保険の申請をする際に必要となります。また、業者にガラス修理を依頼する際、ガラスの種類やサイズを確認するのに使用でき、作業工賃の見積もりを問い合わせる際に役立ちます。
写真はスマートフォンのカメラで撮影すれば良く、傷やヒビ割れが詳細に確認できるよう撮影しましょう。また、傷だけではなく、ガラス全体の状況が確認できる写真も撮影しておくと良いでしょう。

④ガラスの修理業者を手配する

ガラスが割れてしまったら、修理業者を手配しなければなりません。
経年劣化で割れた場合、オーナー負担での修理となるため、修理業者はオーナーが依頼してくれる場合もあります。また、入居者原因でガラスが割れた場合でも、オーナーが指定した業者が修理する場合にはオーナーが修理業者を手配してくれる場合もあります。
オーナーが業者の手配をしてくれる場合には、作業日時の調整をオーナーと行い、業者の訪問を待つ形となります。
一方、オーナーが業者を指定しない時には、入居者が業者の選定を行わなければなりません。
管理会社が管理を行っているマンションであれば、管理会社に問い合わせる事でマンションに出入りしているガラス業者を教えてもらえます。どの業者を選べばよいか分からない時には、管理会社に問い合わせると良いでしょう。
また、インターネットで検索して、複数のガラス修理業者を探し、相見積もりを取って選定するというやり方も可能です。この際には、オーナーや管理会社に連絡を入れた時に確認したガラスメーカーのものを指定し、見積もりを取るようにすると間違い有りません。

⑤保険会社に連絡する

賃貸物件の入居時に、入居の条件として保険への加入が義務付けられている場合があります。また、義務でなくても入居者が自分の意思で保険に加入している場合もあります。
実は、割れたガラスについて適用できる保険があります。ガラス保険の他、火災保険の各種追加補償が適用できる場合があり、これら保険に加入していれば、保険金の請求ができます。
保険金請求のためには各種書類の記入が必要で、それら申請書類を郵送してもらうために保険会社へ連絡しなければなりません。自宅にパソコンとプリンタがあれば、保険会社のHPから書類をダウンロードし、プリントアウトして提出するやり方もできます。
また、この際には、被害状況がわかる写真が必要になるため、撮影した写真のデータは大切にストックしておきましょう。
さらに、ガラス修理をしてもらった時の請求書についても重要です。ガラス修理時に業者がくれる請求書についても、大切に保管しておきましょう。
なお、入居者が保険に加入していなくても、オーナーが加入している場合もあります。この際、オーナーや不動産会社から、保険金請求のための各種書類の記入が求められるケースもあります。後で、ガラス修理費用の一部をオーナーが負担してくれる可能性もあるため、入居者が原因でガラスを割った際にも、オーナーへの連絡は欠かさないようにしましょう。

オーナーへの連絡を忘れずに

自己所有物件のガラスが割れた時には、最初から最後まで自分で対処するのが原則ですが、賃貸物件の場合、入居者が対処せずに済む場合もあります。経年劣化でガラスが割れたら、オーナーが対処するのが大原則です。
経年劣化でガラスが割れたのに、入居者の負担でガラス修理してしまうと、結果として損してしまいます。
また、入居者の原因でガラスが割れた場合でも、ガラスメーカーや種類を入居時のものに合わせて、ガラス修理を行わなければなりません。
そこで、賃貸物件のガラスが割れたら、まずオーナーや管理会社へ連絡を入れましょう。連絡を入れれば、どの施工業者に発注するか、どのガラスメーカーのものを使用するか、といった詳しい内容について指示してもらえます。
賃貸物件のガラスが割れたら、その日のうちにオーナーや管理会社へ連絡してください。

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