光熱費削減!Low-E(ローイー)ガラスとは?

光熱費削減!Low-E(ローイー)ガラスとは?

ガラスには様々な種類があり、住宅に導入すると高い光熱費の削減効果が得られるものがあります。
その代表格が、Low-Eガラスです。
Low-Eガラスは複層ガラスを進化させたタイプの新しいガラスで、優れた断熱性や遮熱性を有しています。
ここでは、このLow-Eガラスの特徴やメリット、デメリットを説明し、Low-Eガラスを導入する際の考え方についても紹介させていただきます。

Low-Eガラスの特徴

Low-Eガラスの特徴

①Low-Eガラスとは何か

Low-Eガラスは、2枚のガラスを平行に並べた複層ガラスを進化させたガラスです。
複層ガラスはノーマルなフロートガラスを2枚並べているだけですが、Low-Eガラスはこの複層ガラスの1枚のガラスに、特殊なコーディングを施しています。
Low-E金属膜という酸化金属をガラスにコーティングしているのです。Low-Eガラスの名前は、このLow-E金属膜によるコーティングがなされている事に由来しています。
なお、Low-Eは「Low Emissivity」の略で「低放射」を意味しています。放射熱が低いため、日差しによる熱を遮熱し、部屋の熱を外に漏らさない断熱効果が大きいガラスとなっているのです。

②断熱タイプと遮熱タイプがある

Low-Eガラスは、複層ガラスに特別なLow-E金属膜を貼り付けたガラスです。このLow-E膜を貼り付けるガラスの位置によって、Low-Eガラスは断熱タイプと遮熱タイプに分けられます。
2枚の複層ガラスのうち、室内側のガラスにLow-E膜を貼り付けたものは断熱タイプとなっており、室外側のガラスにLow-E膜を貼り付けたものが遮熱タイプとなっています。
断熱タイプのものは室内の熱を逃しづらく、暖房器具の効率を高めるのに高い効果を有しています。遮熱タイプのものは夏の暑い日差しをカットする効果が高く、部屋が日光で温まるのを防げます。
いずれも省エネ効果や冷暖房器具の効率を高める効果がありますが、設置する部屋の特徴にあったタイプのものを選択することが重要です。

③Low-Eガラスの位置づけ

部屋の冷暖房効率を高める遮熱、断熱効果のあるガラスは複数、開発されています。
まず、Low-Eガラスの元となる複層ガラスですが、複層ガラスに特別なLow-E膜を貼り付けたのがLow-Eガラスなので、複層ガラスはLow-Eガラスの下位モデルと位置づけられます。
Low-Eガラスでは2枚のガラスに挟まれた部分は中空層とされており、この中空層には乾燥空気かアルゴンガスが入れられています。この点において、Low-Eガラスは複層ガラスと同じです。
一方、真空ガラスという特別な処置が施されたガラスがあります。この真空ガラスはLow-Eガラスの中空層の空気を抜いて真空状態にしたものです。
真空ガラスは構造上、魔法瓶と同じような状態となっているため、より高い断熱効果が期待できます。真空ガラスはLow-Eガラスの上位モデルと位置づけられるのです。
このようにLow-Eガラスは、複層ガラスと真空ガラスの中間に位置づけられるモデルとなっています。

④Low-Eガラスの供給メーカー

Low-Eガラスは複層ガラスや網入りガラスのように、ガラスの種類を表す名称です。Low-Eガラスは複数のガラスメーカーが供給しています。
代表的なメーカーとしては、LIXILやYKKAP、旭硝子などがあげられます。
それぞれのメーカーにおけるLow-Eガラスの機能に大きな違いはありません。ただ、ガラスの色が違う場合があり、メーカーの特徴によって青や緑っぽい色合いの場合があります。
後になって後悔しないように、購入の前にはショールームや展示会場に行って自分の目で実際に色味について確認しておくと良いでしょう。
そして、Low-Eガラスの商品名はガラスメーカーによって異なります。
たとえば、旭硝子社ではサンバランスシリーズがLow-Eガラスとなっています。導入時には、ガラスメーカーのHPやパンフレットを見比べるなどして、各社の商品名を調べておくと良いでしょう。

Low-Eガラスのメリット

Low-Eガラスのメリット

①優れた遮熱性と断熱性

Low-Eガラスを導入する最大のメリットは、優れた遮熱性と断熱性にあります。
住宅は絶えず日差しと外気に晒されています。気温の変化に影響を受けるので、夏は暑くなり、冬は寒くなります。
Low-Eガラスはこの日差しや外気温の変化から、室内を守ってくれます。
高い遮熱性や断熱性を有するため季節や気温の変化に強く、住宅内を過ごしやすい状態に保ってくれるのです。

②光熱費を削減

高い遮熱性や断熱性のあるLow-Eガラスを導入すれば、室内の冷暖房効率が高まります。その結果、光熱費の削減が期待できます。
この省エネ効果はLow-Eガラスを導入する最大のメリットとなっています。
ある調査によると、東京都の平均的な戸建住宅(床面積135㎡窓面積31㎡)にLow-Eガラスを導入すれば、年間最大5万円の冷暖房費の節約も可能と指摘されています。
長いスパンでみると、導入コストを上回る光熱費の削減効果が期待できるので、経済性の観点からもLow-Eガラスは優れているのです。

③防音性と遮音性

 
Low-Eガラスは複層ガラスと同様に、中空層を間に挟んで2枚のガラスが並立している形状となっています。
一般的なフロートガラスに比べるとガラスが2枚ある分、防音性や遮音性に優れており、外の騒音を抑止する効果が期待できます。ピアノが置かれている部屋などに設置すれば、室内の音が外に漏れる事をある程度抑止できます。
ただ、一般的なLow-Eガラスは2枚のガラスの厚さが同じなので、2枚のガラスが同じように反響し、音を伝えてしまいます。
ここで、2枚のガラスの厚さを変えたり、Low-Eガラスの中空層にレゾネーターという特殊な素材を入れれば、防音効果を高める事も可能です。
静かな環境で生活したい方は検討してみると良いでしょう。

④紫外線のカット効果

Low-Eガラスの内側には、Low-E膜がコーディングされています。このLow-E膜は遠赤外線を反射し、室内の熱が外に逃げるのを防いでいます。
このLow-E膜には紫外線を防ぐ効果もあるため、室内の家具やカーテン、カーペットの日焼けを防げます。また、居住者の肌の日焼けも防げます。
Low-Eガラスによる紫外線のカット効果は、ノーマルなフロートガラスの4倍程度見込まれています。日差しの激しい南向きや西向きの窓ガラスに、Low-Eガラスは向いています。

⑤結露の抑制

結露は室外と室内の温度差が激しいと発生します。特に、室内の乾燥した空気を加湿器で潤わせる冬には、外気に触れて冷えた窓ガラスが結露で濡れる現象がよく発生します。
Low-Eガラスは2枚のガラスを並べた複層ガラスを発展させたものなので、室内側のガラスが直接外気に晒されるのを防げます。冬に室内側のガラスが冷えるのを防げるため、結露を抑えられるのです。
結露が抑えられれば住宅がダメージを受けるのを防げ、結果として住宅寿命の延命も可能です。
結露が多い地域にお住まいの方にも、Low-Eガラスはおすすめできるのです。

Low-Eガラスのデメリット

①導入コストが高額

Low-Eガラスは複層ガラスに特殊な処理を加えて作られています。ノーマルなフロートガラスが1枚4500円前後なところ、複層ガラスの価格はその2倍の9000円前後となっています。
この複層ガラスにLow-Eコーティングを施しているため、Low-Eガラスの価格は1枚15000円から20000円ほどに達します
Low-Eガラスを導入するには、フロートガラスの4倍近いコストを負担しなければならないのです。
この高額な導入コストは、Low-Eガラス最大のデメリットとなっています。
ただ、Low-Eガラスを導入すれば省エネ効果が得られます。中長期的な視点でコストを算出すれば、導入コストを回収する事も難しくありません。
中長期的な視点で考えれば導入コストが割高だとは言えないので、導入コストだけで判断するのは避けなければなりません。

②防犯性能の低さ

Low-Eガラスはガラスが2枚並行に並んでいますが、ガラスそのものは標準的なフロートガラスと同じです。
そして、コーティングされたLow-E膜についても、ガラスに酸化金属や銀を塗布したものなので、ガラスの耐久性が高められているわけではありません。
残念ながら、Low-Eガラスの耐久性や防犯性は標準的なフロートガラスと変わりません。
Low-Eガラスは物理的な衝撃には弱く、窃盗犯が意図的に割ろうとしたら簡単に割れてしまいます。
防犯性能を求めるのなら、2枚のガラスを頑丈なフィルムで合わせた、合わせガラスの方が向いています。
ただ、Low-Eガラスに一定の防犯性をもたせるやり方もできます。2枚のガラスのうち、1枚のガラスを合わせガラスにするというやり方です。
Low-Eガラスの中でも、特殊な商品に分類されるものですが、遮熱性や断熱性だけではなく、防犯性も重視するなら、合わせガラスを使用したLow-Eガラスの使用を検討してみましょう。

Low-Eガラス導入の目安

Low-Eガラス導入の目安

①滞在時間が長い部屋から導入

Low-Eガラスは導入コストがかさむため、自宅すべてのガラスをLow-Eガラスにするのは現実的ではありません。
そこで、Low-Eガラスを導入するのであれば、導入する部屋や場所の優先順位を考える必要があります。
ここで、居住者の滞在時間が少ない客間や子供部屋に導入しても、省エネ効果はあまり期待できません。人がいない部屋では冷暖房器具を使用しないからです。
逆に、リビングのように居住者が常時にいる部屋に導入すれば、大きな省エネ効果が期待できます。専業主婦のいる家庭や在宅勤務が多い家庭で導入すると、省エネ効果はさらに大きくなります。
Low-Eガラスを導入するのであれば、人が滞在する時間が長い部屋から優先的に導入するよう心がけましょう。

②冷暖房を使う部屋に導入

Low-Eガラスは遮熱性や断熱性に優れており、冷暖房機器の効率を高めます。そこで、Low-Eガラスを導入するのなら、エアコンやヒーターをよく使う部屋に導入すると良いでしょう。
リビングや寝室は冷暖房機器をよく使うので、導入の優先順位は高くなります。一方、客室の優先順位は下がります。
なお、上述した通り、Low-Eガラスは遮熱タイプと断熱タイプに分かれています。
冷房を多くしようする部屋なら遮熱タイプを、暖房を多く使用する部屋なら断熱タイプを導入すると良いでしょう。
基本的に、夏が暑い関東以西では遮熱タイプを、冬が寒い北海道や東北では断熱タイプを使用するようにすれば間違いありません。

③ライフサイクルコストを検討

Low-Eガラス最大のメリットは、大きな省エネ効果にあります。この省エネ効果はLow-Eガラスが壊れない限り、永続するものです。
そこで、Low-Eガラスの導入にあたっては、導入コストだけで判断するのではなく、Low-Eガラスの効果で削減される光熱費も考慮し、導入の可否を検討しなければなりません。
この使用する期間に亘ってコストを計算する考え方を、ライフサイクルコストと言いますが、省エネ効果が高いLow-Eガラスの導入判断においては、ライフサイクルコストを考える事が重要です。
戸建住宅を建てる場合、その物件には20年以上居住する事も珍しく有りません。年間1万円の光熱費の削減効果が見込めるだけでも、トータルで見ればライフサイクルコストは20万円以上削減されます。
冷暖房費を多く使用する家庭であればあるほど、導入コストを上回る経済効果が見込めるので、冷暖房を良く使う家庭はLow-Eガラスの導入を積極的に検討してみましょう。

④補助金の活用を検討

住宅の購入やリフォームにおいて、省エネ性能が高い製品を導入する場合、政府の補助金が得られる場合があります。近年では、2019年10月の消費税増税のタイミングで実施された次世代住宅ポイント制度が、リフォーム補助の代表例です。
Low-Eガラスを導入する場合、次世代住宅ポイント制度のような補助金制度を活用できる場合があります。
特に、2020年に発生した新型コロナウィルスの影響により、政府は在宅勤務を推奨しています。在宅勤務を促すために新たな補助金制度が開始される可能性もあります。そして、新型コロナの影響で低迷した景気を刺激するため、リフォーム優遇策が実施される可能性もあります。
Low-Eガラスのような省エネ性能に優れた製品の導入に際しては、政府の補助金が利用できる場合があるので、導入の前には積極的にインターネット等を活用して情報収集するよう心がけましょう。

光熱費の削減に効果的なLow-Eガラス

Low-Eガラスは遮熱性や断熱性に高い効果を有するガラスです。自宅に導入すれば、長期間に亘って光熱費の削減に貢献してくれます。
暑さや寒さが厳しい地区にお住まいで高額な光熱費に悩まされている方や、在宅時間が長い専業主婦や高齢の方に、おすすめできるガラスです。
たとえ導入コストが高くても、その導入コストは軽減された光熱費で回収する事が可能です。
電気代や灯油の使用料に頭を悩ませているのなら、Low-Eガラスの導入費用は将来への投資と考え、積極的にLow-Eガラスの導入を検討すべきです。

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