窓ガラスが割れてしまったら?応急処置は自分で出来る!?
日頃から注意していても、窓ガラスはちょっとした出来事で割れてしまいます。そんな時、慌てて対処すると怪我したり、家財道具を傷つける恐れが生じます。
余計なトラブルを防ぐには、窓ガラスが割れた時の応急処置について、知っておく必要があります。
ここでは、窓ガラスが割れた時にどのように対処すべきか、窓ガラスの応急処置の方法について説明させて頂きます。
目次
ガラスの応急処置の前に必要な事
①自分と家族の身を守る
ガラスが割れてしまったら、最初に行う事は身を守ることです。自分自身が割れたガラスでケガをしないように、スリッパや靴を履いて足元を守りましょう。そして、子供やペットが割れたガラスに近づかないように注意しましょう。
子供やペットは別の部屋に移してしまえば割れたガラスによって怪我する事を防げます。ガラスの割れ方によっては目に見えない所までガラスの細かな破片が飛びっている事もあります。
特に小さなお子さんがいる家庭は注意が必要です。
②掃除を開始
自分や家族の身の安全を確保したら、次には割れたガラスの破片を集めて掃除します。
掃除の際には必ず軍手やゴム手袋などをはめて、手を保護してください。2重にすると、より安全です。
大きなガラスの破片は手で拾い、細かな破片は掃除機やほうきを使って集めます。粘着テープを使用することでより細かな破片も安全に回収できます。割れたガラスの状態によっては掃除機を使用すると掃除機が壊れる可能性があるため、注意が必要です。
安全に掃除機を使用したい場合は、掃除機の吸い込み口にストッキングを取り付けると、掃除機の内部にガラス破片が入ることを防げます。ストッキングを掃除機の吸い込み口に輪ゴムで止め、その状態で掃除機をかけます。その後、新聞紙の上で掃除機のスイッチを切れば、新聞紙の上にガラスの破片が落ち、簡単に細かなガラス破片を回収できます。
最後により細かな破片を掃除するため、新聞紙や雑巾で床を拭きとります。スマートフォンのライトを使えば、ガラスが反射して床に落ちたガラスの破片を簡単に見つけられるため、おすすめです。
③割れたガラスの処分に注意
集めた破片はゴミ袋ではなく、ダンボールなどに入れておきます。ゴミ袋に入れると、破れてしまうため危険です。また、大きな破片は新聞紙などで包むことで二次被害を未然に防げます。ゴミとして処分する際もわかりやすいように「割れ物注意」「ガラス」などとはっきりと書いておくことも大切です。
ガラスゴミの出し方は、地方自治体によって異なります。
基本的に不燃物の日に、新聞紙やダンボールに包んで出す形となります。ゴミの出し方については地方自治体のホームページに記載されているため、確認しておくと良いでしょう。
また、専門業者を呼んでガラスの修理を依頼するなら、割れたガラスは回収してもらえます。部屋の片隅や押入れの奥など、子供やペットが立ち入らない場所に保管しておき、業者が来た時に回収してもらいましょう。
④割れた状況をスマホで撮影
ガラス破片の片付けが終わったら、応急処置を始める前にスマートフォンのカメラ機能を用いて、割れたガラスの状況を撮影しておきましょう。
後日、ガラス修理を専門業者に依頼する際、写真を使用できます。
業者に撮影した写真を送信して見てもらえば、より正確な見積もりを作ってもらえます。また、ガラス修理に必要なガラスのサイズや種類も、写真によってわかりやすくなります。
写真を撮影する時には割れた部分だけではなく、ガラス全体の大きさもわかるように、複数の写真を撮影すると良いでしょう。
窓ガラスの応急処置方法
①ガラスの応急処理が必要な理由
ガラス破片の回収を終え、周囲の安全が確認できたら割れたガラスの応急処置を開始します。
応急処置をしないでガラスを放置してしまうと、最悪の場合、ガラスが割れた部分から風雨が室内に入って来ます。
そうなると、床が水浸しになったり、家財道具が傷つく危険性が生じます。
室内が風雨にさらされた場合、ガラス修理以外の費用も発生してしまいます。そこで、無駄な費用が発生するのを抑えるために、割れたガラスは応急処置する必要があるのです。
ただ、すべての場合で応急処置が必要なわけではありません。
ガラスが割れたのが午前中で天気が良く、すぐに専門業者を呼べる状況にある場合には、特に応急処置する必要がない場合もあります。また、女性や高齢者の一人暮らしで割れたガラスに近づくのが怖い場合などには、無理して応急処置するよりも、すぐに業者を呼んだほうが良い場合もあります。
いずれにしても割れたガラスの場所と被害の大きさ、その日の天候等によって状況は変わります。
無理して応急処置を試みると、怪我をしたり、余計にガラスの損傷を広げる場合もあります。
応急処置を開始する前に、自分で対処できるかしっかり判断した上で、取り組むように心がけましょう。
②応急処置はその場しのぎと考える
ガラスの応急処置により、ガラスのひび割れや穴はとりあえず塞げます。ただ、応急処置についてはその場しのぎの方法と考えるべきです。
室内ドアや食器棚のはめ込みガラスが割れた場合であれば、応急処置のまま過ごす事も考えられます。
しかし、窓ガラスについては風雨に日常的にさらされるため、応急処置のまま過ごす事は不可能です。応急処置したまま放置すると、応急処置した部分が風雨の影響を受けてすぐに穴がき、ガラスの損傷が広がってしまいます。
窓ガラスの応急処置は専門業者を呼ぶまでの一時しのぎの対処法に過ぎません。専門業者を呼んでガラスの修理、交換を行うまでの時間稼ぎと考えるべきなのです。
③手袋、スリッパ等を装着して身体の安全を確保する
ガラスの応急処置をする場合、ひび割れたり、穴があいたガラスに接近する必要があります。
ガラス破片の掃除、回収時と同じように身体の安全を確保する必要があります。軍手やゴム手袋を身に着け、スリッパを履いて作業するよう心がけましょう。
また、作業途中でガラスが割れて、身体に振りかかってくる危険性もあります。
半袖や短パン姿で作業することは避け、長袖、長ズボンで作業するよう心がけましょう。さらに、帽子を被って頭部を保護するとより安全です。
④サッシに固定したまま作業を行う
戸建住宅、マンションを問わず、窓ガラスは多くの場合サッシに固定されています。
サッシはレールから取り外すことができますが、このレールから取り外す作業は難しく、特にガラスが割れた状態でサッシを取り外す行為には危険が伴います。
専門業者ではない素人が窓ガラスのサッシを無理に外そうとすると、ガラスに余計な圧力が加わり、更にガラスが割れる危険性もあります。
応急処置する場合は、窓ガラスをサッシから取り外す必要はありません。
サッシには触れず、レールにサッシが挟まったまま作業するよう心がけましょう。
⑤ひび割れや傷が軽微ならガムテープで応急処置
ガラスの応急処置を始める前に、割れたガラスの状況を確認しましょう。
ガラスに穴が空いておらず、ひび割れが走っている程度であれば、ガムテープを用いた応急処置が可能です。
ひび割れた部分全体を覆うように、室内側からテープで傷を塞ぎます。そして、同じように外側からもテープで傷全体を防ぎます。
この際、ガラスに圧力がかからないよう注意して下さい。
ひび割れたガラスは壊れやすく、ちょっとした圧力でガラス全体が割れてしまいます。
ひび割れ全体に一度に貼るより、ひび割れの一部を少しずつ塞いでいくという形で進めると良いでしょう。
⑥布テープや養生テープが効果的
ガラスの応急処置を家庭で行う場合、ガムテープを用いることが一般的です。ただ、梱包用のガムテープは水に弱く、風雨にさらされる窓ガラスの外側に用いるのは適切ではありません。
そこで、ご家庭に布テープや養生テープがあるのであれば、そちらを応急処置に用いましょう。
布テープや養生テープは紙テープよりも頑丈で耐久性が高く、耐水性もあります。ガラスの応急処置には最適です。
ただ、自宅に布テープがないという場合、一般的な梱包用ガムテープで応急処置しても問題ありません。応急処置は早ければ早いほどよいので、外に買いに出かけるよりは、自宅にあるガムテープで済ましましょう。
⑦ひび割れにはコーキング剤も使用可能
ガラスや陶器用のコーキング剤が自宅にある場合、コーキング剤を用いてひび割れを塞ぐというやり方も可能です。
コーキング剤は割れたガラスの隙間をしっかり防いでくれるため、テープだけを用いる処置よりも効果的な補強となります。
ただ、コーキング剤は乾燥するまでに時間を要し、垂直に設置されたガラスに上手くコーキング剤を塗布するのは難しく、経験がなければ失敗する可能性もあります。
いずれにしても、自宅にコーキング剤のストックがあって、日頃から使い慣れている方向けのやり方です。
コーキング剤の使用経験がない方は、テープを用いた応急処置で十分です。
⑧穴はダンボールを用いて塞ぐ
ガラスに穴が空いている場合、テープだけで穴を塞ぐのは困難です。そこで、穴が空いている場合にはダンボールを用いた処置が必要となります。
最初に、穴の周囲に走るひび割れについて、ガムテープで塞ぎます。次に、穴全体を塞ぐくらいの大きさにダンボールを切り出します。
室内側から、ガラスの穴の空いた部分全体を覆うようにダンボールをかぶせ、周囲をテープで固定します。
窓の外側から作業ができるのであれば、外側からも同じようにテープで穴周辺の傷を塞ぎ、穴に向けてテープを伸ばしていきます。そして、穴の部分のダンボールをテープで固定します。
この際、重要なのはやはり、無駄な圧力をガラスにかけない事です。
しっかりダンボールを固定したいという気持ちが強いと、どうしても強い圧力がガラスにかかり、ガラスをさらに損傷させてしまいます。
重要なのは穴全体をダンボールで塞いでしまう事なので、穴全体をダンボールできちんと覆うことを目標に、慎重に作業するよう心がけましょう。
⑨最後にガラス全体をテープで覆う
傷ついたガラスのひび割れや穴を一通りテープ等で塞ぎ終わったら、最後にガラス全体をテープで覆う事を検討しましょう。
これは、ガラス全体を十字状やバツ印状にテープで覆うことで、ガラスが更に割れた時の、ガラスの飛散を防ぐための処置です。
このガラス全体をテープで覆う処置については、ガラスを補強する効果はありません。ただ、傷ついたガラスが風雨によって衝撃を受け、飛散する事を防げます。
リビングや寝室などの窓ガラスが傷つき、業者が来るまでに数日の時間を要する場合などに、このような処置をしておけば、より安心できます。
ただ、女性や高齢者の一人暮らしの時には、ガラス全体を覆う処置は難しい場合もあります。
天候が落ち着いていて、すぐに業者が来るという場合には、無理してガラス全体をテープで覆う必要はありません。
⑩台風や暴風雨の際には無理しない
ガラスの応急処置は、専門業者が来るまでの時間を安全に過ごすために実施するものです。
天候が良ければ、自分のペースでゆっくりと作業する余裕があります。しかし、台風や暴風の被害で突発的に窓ガラスが割れてしまった場合、無理して応急処置すると、命の危険すら生じます。
たしかに、台風の被害を受けている時に窓ガラスが割れてしまうと、室内に雨水が入ってくるので、無理してでも応急処置したくなるものです。
でも、無理は禁物です。
暴風雨に襲われている時、無理してマンションのベランダに出たり、戸建住宅の2階で作業したりすると、風に身体がさらわれて、落下する危険性すらあります。
素人の方が割れたガラスの応急修理を行うのは、天候が安定している時に限ります。無理して応急処置しようとして命を危険に晒しては、元も子もありません。
台風や暴風雨のせいで窓ガラスが割れた際には、別室に避難したり、地域の避難所に移動するなどして、天候が落ち着くまで待つのも一つの方法です。
無理して命を危険に晒すような事だけは避けましょう。
応急処置を終えたら業者に依頼しよう
応急処置を終えたら、ガラス修理の依頼を検討しましょう。
室内ドアのはめ込みガラスや食器棚のガラスであれば、割れたままでも何とか過ごす事はできます。でも、住居の窓ガラスについては応急処置のまま過ごすことは不可能です。
防犯や冷暖房効率の観点からも、割れたガラスを応急処置のまま過ごすのは不適切です。そして、素人の方が自力でガラス修理を行うことはできません。
窓ガラスが割れたら、プロの力を頼るほか選択肢はありません。
作業工賃が心配なら、複数の業者に連絡を入れて割れたガラスの写真を見てもらい、相見積もりを取ると良いでしょう。
業者の中には即日で作業してくれる所もあります。ガラスが割れた時間帯にもよりますが、なるべく早く連絡を入れて、作業の手配だけでもしておく事がおすすめです。