窓ガラスにはどんな種類があるの?特徴やメリットは?

窓ガラスの種類と特徴

ガラスには様々な種類があります。
一見すると同じように見えるガラスでも、ガラスの種類によって性能や特徴は異なり、中には優れた断熱性や堅牢性を持つものもあります。
日々の生活をより快適に、経済的に過ごすには、ガラスの特徴や性能に関する知識を深め、ニーズに応じたガラスを選択する事が大切です。
ここでは、住居に用いられる窓ガラスの種類や特徴についてご紹介させて頂きます。

フロートガラス

フロートガラス

①特徴

フロートガラスは最も標準的なガラスで、私たちが普段目にするガラスです。透明ガラスと呼ばれるガラスはこのタイプとなります。
多くの住居に最初から導入されているのが、このフロートガラスとなっています。
フロートガラスは様々な場所に使用されています。
建物の窓ガラスの他に、家具や棚のはめ込みガラスやガラスの棚板、水槽などにも使用されています。
また、複層ガラスや真空ガラスなど様々な機能を持った特殊ガラスは、フロートガラスを複数組み合わせる事で作られています。

②メリット

フロートガラス最大のメリットは安価な点にあります。
フロートガラスは1950年代に発明された技術をもとに製造されています。古い技術に基づいて大量生産されているため、市場への供給が安定しています。そして、フロートガラスの世界市場の約半分を日本企業である日本旭硝子とAGSが占めています。
これらの理由によりフロートガラスはガラスの中で最も安価な価格で購入できるようになっているのです。
フロートガラスはガラス修理業者に常時ストックされているため、入手性においても困りません。
ガラスが突然割れてとにかく修理が必要という時、フロートガラスであれば即日で修理できる場合も多くなっています。

③デメリット

フロートガラスは標準的なガラスに過ぎないため、個性的な機能に乏しいという欠点があります。
堅牢性や遮音性、断熱性、防音性といったお住まいで必要とされるガラスのニーズについて、標準的な機能しか持ち合わせていないフロートガラスでは対応できません。
良くも悪くも普通のガラスなので、特別な効果を期待できないのです。

すり板ガラス

すり板ガラス

①特徴

ガラス全体が白色で、向こう側がぼんやり見えるガラスがすり板ガラスです
すり板ガラスはその名の通り、ガラスの片面に摺り加工が施されています。
表面が加工されているためガラスを通過する光が直進せずに、屈折します。この光の影響で、ガラス全体がスモークがかったように見えます。

②メリット

ガラスでありながら向こう側が見えないため、プライバシーを重視する環境で使えます。
そして、光の明るさそのものは遮断せず、やわらかな光は通します。この性質により、上品な印象を与える事ができ、部屋の雰囲気を変えられます。
旅館や和室で使われる場合が多く、障子のはめ込みガラスとして用いられる場合もあります。

③デメリット

普段は白色のスモークがかかっていますが、水に濡れると透過性が生まれ、向こう側が透けて見えてしまいます。
そこで、浴室や洗面化粧台のような水回りで使用するのには不向きです。
また、デザイン的に古臭い印象を与える場合もあり、設置する部屋や場所の選択が難しいガラスとなっています。

型板ガラス

①特徴

型板ガラスは、ガラスの片面に細かな模様が入れられたガラスです。すりガラスと異なり、様々な模様を入れる事ができ、よく使用されるのが霞タイプと梨地タイプとなっています。
天候によらず視界を遮る事ができるため、トイレのドアや浴室で使用されるケースが多くなっています。

②メリット

すりガラスよりも視認性が悪く、水に濡れても視界を遮ることができるため、隣家と近い場合や道路に面しているガラスに用いる事でプライバシーの確保が図れます。
また、様々な模様を刻む事で、雰囲気あるお部屋づくりを可能とします。

③デメリット

透過性が高くないため、光の取り込みには適していません。
また、すりガラスと同様、ガラスに模様やパターンを入れるデザイン性が古臭く感じられる場合があり、現代的なインテリアには向かない可能性もあります。

網入りガラス

網入りガラス

網入りガラスはガラスの内部にワイヤーが埋め込まれているタイプのガラスです。ワイヤーには様々な種類があり、線入り、ヒシワイヤー、クロスワイヤーなどから選べます。網入りガラスはワイヤー入りガラスと呼ばれる場合もあります。
この網入りガラスは火災時にガラスが飛散する事を目的に作られています。
都市計画法の防火地域・準防火地域に指定されている建築物は、この網入りガラスの設置が求められている場合があります。
なお、この網入りガラスは防犯に効果的だと勘違いされる場合が多いのですが、その認識は誤りです。
網入りガラスは特に耐久性が高いわけではなく、防犯性能についても合わせガラスに劣ります。

②メリット

一般的なフロートガラスよりも防火性能が高く、火災発生時にガラスが崩壊するのが遅めです。また、火災の熱によってガラスが割れた時、ガラスが飛散するのを防げるため、火災による人体や家屋へのダメージを軽減できます。
さらに、火災だけではなく、風や飛来物の衝突等を原因としてガラスが割れた時にも、ガラスの飛散を防げます。ガラスが割れた時のダメージを少なくできる点が、網入りガラス最大のメリットです。
また、防火ガラスの中でも網入りガラスは比較的安価に入手可能です。

③デメリット

内部にワイヤーが埋め込まれているため、経年劣化により錆び割れという現象が起きる可能性があります。
また、ワイヤーが視界を遮るために視認性が悪くなっており、居室には向いていません。さらに、デザイン性も悪く、商業施設や宿泊施設の利用に向いていないという欠点があります。

強化ガラス

①特徴

標準的なフロートガラスを加熱させた後、ガラス全面に冷気を吹き付けて均一に冷やし、ガラス表面に特殊な圧縮層を作った特別なガラスです。
表面に作られた圧縮層のおかげで通常のフロートガラスよりも強度が高く、衝撃や圧力に対して強くなっています。
堅牢性が高く、防犯性に優れたガラスです。衝撃にも強いため、学校や玄関ドアに使われる事が多いガラスとなっています。

②メリット

名前の通り、堅牢性の高さに強化ガラスのメリットはあります。通常のフロートガラスに比べて3倍から5倍の強度があり、強い風圧や衝撃にも耐えられます。
そして、温度の変化にも強く、フロートガラスに比べて耐熱性能が高めです。
たとえ衝撃で割れたとしてもフロートガラスのように粉々に砕け散る事がなく、人体や家具を守る観点からも優れたガラスとなっています。

③デメリット

フロートガラスに比べて価格が高価です。また、在庫やサイズのバリエーションに乏しく、即日での設置に対応してもらえない場合もあります。

合わせガラス

①特徴

2枚のフロートガラスを並行に合わせ、その間にフィルム状の中間膜を入れたものです。
特殊なフィルムに加熱した2枚のガラスを圧着して製造されており、高い堅牢性を誇ります。
堅牢性と紫外線カットの機能により、多くの自動車のフロントガラスに導入されています。

②メリット

強化ガラスと同様に衝撃や圧力に強く、頑丈で割れにくいガラスとなっています。さらに、強い衝撃が加えられた時でも、内部のフィルムのおかげでガラスが飛散せずに済み、高い安全性を実現しています。
また、中間膜のフィルムが紫外線を通さないため、紫外線を防止する効果もあります。
防音性にも高い効果があり、音楽教室やピアノのある部屋に用いられる場合も多くなっています。

③デメリット

フロートガラスを2枚合わせ、特殊な工程を経て作られているため、フロートガラスの倍以上の価格がします。
価格が高めなので、気軽に導入することができません。

複層ガラス

①特徴

2枚のフロートガラスを並行に並べ、その間に一定の間隔を持たせたものが複層ガラスです。
2枚のガラスが密着している合わせガラスとは異なり、2枚のガラスの間には中空層という乾いた空気の層があります。
この中空層にアルゴンガスを充填したタイプのものもあります。

②メリット

2枚のガラスの間に挟み込まれた空気の層が断熱効果を生み出します。この断熱効果により、暑さや寒さが激しい地域でも快適に過ごせるようになります。
複層ガラスはフロートガラスの約2倍の断熱効果を持ち、冷暖房効率を高めて光熱費の削減に貢献します。また、この省エネ効果により、政府が実施する次世代住宅ポイント制度の対象ともなっています。制度の条件に合致すれば政府より補助金を受け取る事ができ、格安な費用で導入する事も可能です。
また、高い断熱効果により、結露防止にも役立ちます。昼夜の寒暖の差が激しい地域や、冬の冷え込みが激しい地域に向いたガラスとなっています。

③デメリット

複層ガラスは2枚のガラスを合わせて作られている関係上、通常のガラスより厚みがあります。網戸やカーテンレールの位置やサッシのスペースの関係で、取り付けられない場合があります。
また、断熱性が高いために、冬の日光を遮る場合があります。日当たりの良い部屋に導入すると、逆に部屋が温まりにくくなり、暖房設備に頼らなければならなくなる場合もあります。

Low-E複層ガラス

①特徴

Low-E複層ガラスは、複層ガラスを更に進化させたタイプのものです。
構造は通常の複層ガラスとほぼ同様です。中空層を挟んで2枚のガラスが並ぶ形状をしており、室内側のガラスがLow-E金属膜で特別にコーティングされているのが大きな特徴となっています。

②メリット

Low-E金属膜の効果により、通常の複層ガラスよりも遮熱性と断熱性に優れており、室内の冷暖房効率が更に上昇しています。
また、日光からの紫外線も75%以上カットし、日射熱も50%以上遮ります。
激しい西日対策に優れ、日光の影響による家具やカーペットの退色も抑えられます。
日頃から激しい日差しに晒される住居や部屋に導入すれば、様々な恩恵を受けられるガラスとなっています。

③デメリット

複層ガラスと同様に日光の遮熱性能が高いため、日射熱の効果が弱まります。天気の良い日でも日射熱によって部屋が温まらないので、寒い日には暖房装置の力に頼らなければなりません。
また、複雑な工程を経て製造されているガラスであるため価格が高額で、導入には相応の費用がかかります。
複層ガラスと同様に、次世代住宅支援等の補助金対象となる場合もあるため、導入の際には活用できる補助金の申請を忘れないよう、気をつけましょう。

真空ガラス

①特徴

真空ガラスは、2枚のガラスの間に真空層を持つ特殊ガラスです。構造的には複層ガラスとほぼ同様ですが、複層ガラスの中空層が真空の層になっています。
さらに、Low-E複層ガラスと同じように、部屋に面したガラスにはLow-E金属膜もコーディングされています。
真空ガラスは複層ガラスやLow-Eガラスの上位モデルとなっています。

②メリット

真空ガラスは真空の層で部屋全体を包みこむ事をコンセプトとしています。
構造的には魔法瓶と同様の形状をしており、その断熱効果はフロートガラスの約4倍、標準的な複層ガラスの約2倍に達しています。
この高い断熱性能により室温を外に逃さず、冷暖房の効率を飛躍的に高めます。フロートガラスの使用時に比べ、冷暖房費を約40%削減する事ができ、その省エネ効果は絶大です。また、結露対策にも高い効果を発揮しています。
さらに、2枚のガラスに挟まれた真空の層は、空気の振動を遮断します。この機能により真空ガラスは優れた防音性能も有しており、騒音や雑音から部屋を守ります。

③デメリット

ノーマルな複層ガラスにLow-Eコーディングを施し、中空層の空気を抜いて真空にするという工程で製造されているため、住宅向けガラスの中では最も高額になっています。
また、真空層についての保証期間は10年程度とされており、それ以上の期間が経過した後の真空性については保証されていません。
20年から30年以上使用すると、真空層に空気が入り込んで性能が低下する事が予想されます。
性能低下について織り込む必要があるため、注意が必要です。

経済性を考えて最適なガラスを選択しよう

昔と異なり、現在は様々なタイプのガラスが製造・販売されています。
ガラスの選択肢は豊富なので、住居や部屋の特徴やニーズに合致したガラスを導入する事が大切です。
断熱性や断熱性に優れた合わせガラスや複層ガラスはノーマルなフロートガラスに比べて高額ですが、導入すれば冷暖房費を節約できます。
住宅を使用する長い期間で考えると、合わせガラスや複層ガラスを導入した方が経済的になる場合もあります。
さらに、冷暖房効率が高い特殊ガラスを導入する場合には、政府の補助金を受け取れる場合もあります。次世代住宅ポイント制度やリフォーム優遇策についても忘れずにチェックし、自宅に適したガラスを選ぶよう心がけましょう。

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